「話せてよかった。」
近年、電話やチャットで寄せられる子どもの声の多くは人間関係の悩みです。学校にも家庭にも居場所がなく一人で不安を抱え込んでいる子どもの姿が浮かびます。チャイルドラインでは、誰にも言えなかった自分の気持を吐き出せた後に「話せてよかった。」という言葉を聞くことがあります。子どもの声を聴き続けるなかで改めて思うことは、「子どもには自分の問題を解決する力がある。」ということです。それには、子どもの話を最後まで受け止めて聴くことのできる存在が必要ということも強く感じています。
人の成長の道筋で、少年期、青年期は他者との関係を切り結ぶ力が育まれる時期と言われますが、現代は親以外の近隣の大人や、友達、先輩、などとの人間関係が希薄で、他者関係を結ぶ機会さえも奪われています。『子どもは、身近に信頼できる誰か見つけ、自分の本当の気持ちを話すことができれば、成長の道筋で出会う様々な困難を乗り越えることができる。』チャイルドラインの活動で得た確信を胸に、子どもが自分のモヤモヤを吐き出して整理するための一助となれるように、その声をしっかりと受け止めて行きたいと思います。
市役所で若者ワークショップ
夏休みの一日、市役所内にカフェが作られ若者ワークショップが開かれました。「ゆ‐くる」のスタッフがフアシリテータ‐で会議を進める中、市の募集に応じて集まった若者たちがランダムにグループ分けされた各テーブルで、課題について話し合いながら自分の考えを書き出し、互いの意見について考え合いました。お菓子や飲み物が用意され郡山市のイメージキャラクター「がくとくん」と「おんぷちゃん」が見守る穏やかな雰囲気の中で、初対面同士でも語り合う子どもたちの姿がありました。最後にはテーブルごとのグループで「理想の郡山の姿」を寸劇で発表しました。「市役所の人」も子どもたちに誘われて寸劇に参加していました。インタビューに応えて「今日は協働の意味がわかった。」と話す若者の言葉が印象的でした。若者が学校以外の場所で多様な人や多様な考え方に出会う、お互いの意見を尊重しながら協働で物事に取り組む体験をする、社会に向かって発言する、このような機会の継続が望まれます。